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2011年8月

2011年8月26日 (金)

島田紳助引退の背景:正しい情報提供を

 紳助の突然の引退で驚いている人が多いであろう。しかし事情通からは、背景は明らかである。筋は二つ、渡辺・羽賀の事件が、最高裁で無罪の可能性がかなり出てきたので一工作という筋と、警察庁が、目下の第一課題と位置づける暴力団排除の動きが、相撲界についで芸能界にもという筋である。

前者については十分な情報を持ち合わせていないので、後者を中心に述べる。警察の方針は、安藤長官が明言している。全国全ての都道府県に暴力団排除条例がこの春成立した。世界規模のグローバル化の流れに対応するために、日本のローカルルールであるヤクザの存在は、消滅させるしかない。長期的視点として反論の余地がないようにみえる。しかし問題は、ヤクザが果たしてきた機能を誰が果たすかであるが、こちらは未解決のまま、排除に走っている。ヤクザ人口は、一時20万であったのが8万まで減少している。ほっておいても消えて行くとみえるが、警察が急ぐ理由は山口組の存在である。3万数千の組員を持った全国組織があるのは、とんでもないことであるというわけである。これにも反論は無理であろう。少なくともビジネス界からは去ってもらうほかないとしても、残る夜の稼業をどうするのか。「堅気の人だけで芸能やったらおもしろくなくなるだろうな」といった呑気なレベルよりも、正業につけない人々の居所がどこかに必要という意味でむずかしい。私も答えを出しかねている。

話しを戻そう。山口組がターゲットとすれば、今回の事件も見えてくる。芸能界の綱紀粛正のために、悪さが一番の芸能人として紳助が選ばれたのではなく、関係していたのが山口組の大物だから選ばれたと解釈できる。渡辺・羽賀の事件も、同様に、相手の組長がターゲットで巻き込まれたのかもしれない。そう理解したほうが無理筋の検挙の理由がわかる。もちろん、これは、あくまで推理にすぎない。

本当に問題なのは、マスコミの報道である。暴力団と付き合うのは悪という言い方をしたうえ、芸能界とヤクザの付き合いは山口組が浪曲に手を出したとき以来という説明をしている(朝日新聞)。部分的には正しいが全体を伝えない毎度のやり方である。

事実を説明しておこう。浪花節の興業を手がけていた山口組二代目に、吉本興業社長の吉本せいが頼んで、エンタツ・アチャコを連れて関東進出に成功した。続いて、浪曲の広沢虎造を吉本興業専属にすることにも、二代目は協力した(1934年)。その割を食う籠寅組とモメて、二代目は籠寅組みに刺殺される(1940年に刺され42年に死亡)。ここから言えることは山口組が進出する前から、この手の興業はヤクザの仕事だったことである。二代目を刺殺した側はヤクザでなかったみたいに報道は完全に隠してしまっている。籠寅のボス、保良浅之助は、下関の企業家で衆議院議員のヤクザ。こっちのほうが重要である。芸能界よりも議員でヤクザが多数いたことこそ、明らかにすべきである。山口組の最大のライバルであった本多会は、自由民主党の派閥領袖レベルとつきあっていた。安保デモ対策など、戦後もヤクザが政治に「協力」してきた例は多数ある。

国民には何も知らせないまま、暴力団をトラブル処理に使ってはいけませというメッセージで終わらせるようでは、原発は安全という報道をしてきてしまった反省がみられない。山口組を第一ターゲットに選ぶことは当然だが、山口組の興業進出が最初というのは、あまりにもおかしい。芸能界の歴史を語ることはデリケートだが、それを乗り越えてこそグローバルスタンダードに到達するのではないか。無難にすまそうという報道姿勢は見苦しい。

2011年8月 1日 (月)

低年齢児童に対する性犯罪と児童ポルノ犯罪被害者数の不思議な増減

 児童ポルノ事件の摘発件数と被害児童数のグラフが朝日新聞2011年7月19日の記事に掲載された。一見すると、恐るべき右肩上がりの増加ぶりだ。児童の定義は18歳未満なので、小学生以下の被害児童数が増えていることを強調している。

 この記事を読めば、またまた治安悪化、子ども達が危険に曝されているとの印象を受けるのが普通であろう。ところが、実態は、全く違う。最近の低年齢児童が性犯罪被害にどのくらい遭遇しているか、同じ警察庁の統計で見てみよう。

 幼児は強姦できないので、低年齢児童に対する酷い性犯罪は、強制わいせつとしてカウントされる。その年齢別被害者数を犯罪統計書から抜き出してグラフ化すると、驚くほどの減少傾向にある。

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 私は、2005年から児童ポルノ事件摘発に人員を振り分けたために認知件数が増加したと解釈している。性犯罪自体は沈静化の一途である。成人も含めた強姦の減少傾向は凄いペースであるし、強制わいせつ全体も減っている。

 リアル世界では、エロ本屋が繁華街でさえことごとく消滅し、エロ本出版社も数年前にほとんど倒産した。ネット内だけを見ると増加傾向に見えるとしても、リアル世界とあわせてみれば衰退傾向は間違いないと思う。仕方なしにコンビニの成人コーナーができたことで、エロ本が身近にまで蔓延ってきたと感じる女性が多くいると推察するが、棲家の山を追われた熊が里に出没しているのに似た状況である。実は、エロ本もアダルトDVDも「絶滅の危機」にある。

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