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2011年4月 1日 (金)

都知事選 石原慎太郎の存在価値とその喪失

 お待たせ、都知事選について、候補者ごとに功罪を分析してみたい。まず石原慎太郎氏から。

 批判材料に事欠かない人物であるが、そんな人がなぜ、これほど人気を得ただけでなく、マスコミや他の政治家からも強い支持をうけてきたのか考えておかなくてはならない。石原慎太郎の存在価値を見ておこう。

 無難な答弁に終始する官僚出身の政治家とちがって、誰かに言って欲しかった本音を言ってくれる人として人気があるというのが、多くの人が考える石原評であろう。言葉は乱暴だが「我が意を得たり」というわけである。

 よく観察すると、慎太郎は、勇ましいことを言う一方、勇ましいことを実行したことはない。アメリカにNOといったこともないし、なによりも自分が政策には通じていないことをよく自覚している。元々作家である。

 官僚機構からこれを見れば、マスコミ向けに吼えるだけで、全て自分達のやりたいようにさせてくれる理想の上司となる。酷い発言、行き過ぎた発言をするが、行き過ぎたことは実行しない。

 過去の都知事選を振り返ると、慎太郎の三選の前の都知事選が極めて重要であった。このとき青島幸夫が石原信夫に勝った。青島は典型的タレント候補だが、石原信夫こそ、7代の総理につかえた官房副長官、つまり日本の官僚のトップ。この人ほど誰からも高い評価を受けていた人はいない。

 最高の人材の石原信夫が、タレント候補に敗れたのをみて、それ以降、まともな人物が東京都知事選に立候補しにくくなった。大阪では、横山ノックが知事となり、その傾向は強まった。政党支持推薦などおかまいなしに、知名度だけある人が当選する状況になってしまった。

 そこで石原慎太郎の登場である。変なタレント候補が知事となることを防ぐこと、これこそが石原慎太郎の存在意義ではなかったか。「慎太郎でいいんじゃない、それでうまくいくんだから」ということであった。

 今は、これまでの状況と異なる。官僚にまかせていてはいけない、トップの決断が必要な非常時になってきた。政策判断はできない、実行力はない、体力も衰えている、変な都知事が出現しないことを防ぐのが取り柄の慎太郎知事は不要。さすがに、都民も呑気にタレントを選ばない。

 慎太郎が自民公明に押されていることを重視するべきである。自民長期政権のときに美濃部共産知事だったのと同じになる。当時、国の政権は自民だが、不満表明は都知事選でだった。今は、国の政権は自民はイヤだが、民主への不満表明。これは昔と同じ失敗。

ここは自民には完全に一端退場してもらい、民主に任せる。それで民主がダメなら自民が出直しもあるが、数年は民主にまかせてみなければならない。一応正統に選ばれたを首相は、好き嫌いを超えて支えなければ、一つの集団と呼べない。その観点から石原4撰は大マイナス。

都条例のマンガ表現規制は、石原慎太郎自身、マンガに問題があるなど全く考えていないが、一般高齢選挙民にはウケルという計算。原発や停電など、本当に大事な事は何かという発想で働いていたと思えないし、その能力もない。

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