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2010年12月 8日 (水)

東京都青少年健全育成条例(3)市民参加と民主主義

 12月6日中野ゼロで開かれたシンポジウム「『非実在青少年規制』改メ『非実在犯罪規制』へ、都条例改正案の問題点は払拭されたのか?」<共同代表:藤本由香里(明治大学准教授)・山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所)>に、1500人が来場、ホールは550人しか入れないので、別室とロビーでモニターを見つめる300人以外は、帰っていただいた。ニコニコ動画の中継は、76939人、夜中12時からの再放送は、58924人、合計135863人であった。

 60年代の学生運動は、70年安保が最後、それ以降は、いわゆるプロ市民によるデモ行進はあっても、普通の人々が繰り出すことはほとんどなかった。世代が上の人々は、全然感ずいていないが、35歳以下の若者が怒って街に繰り出す気配を感じる。

 問題は、それが良いことなのか悪いことなのかである。反対運動は、ただ漫画を自由に書きたい読みたいのエゴではないかという批判はありうるだろう。しかし、シンポジウムで政治家が発言したように、「政治に無関心でいることはできても、政治に関係なくいられることはできない。それが単に好きな漫画を読んで言いたいというだけのことであっても」という言葉が、現状を見事にとらえている。まだまだ高尚な市民意識には遠いとしても、単に自分の要求のためであっても、政治に関心を持って行動することは、大きな一歩であると信じる。それに、規制強化派のほうに目を転ずると、そちらのほうが、より低次元とみえる。

 都議会レベルの問題に、私が本気で取り組んだことは初めてであるが、今回12月の提案には、悲しむべき低次元の特徴が二点みられた。第一点、東京都は、11月22日まで、どのような内容の条例案であるのか、反対運動シンパである民主党議員に隠し通した。議論も反対運動もできないような日程で、都議会通過を目指した確信犯的な手続きを採った。民主主義を踏みにじる行為であるが、これを大スキャンダルと捉えて報道するマスコミがいないのが、現在日本の言論界の現状である。第二点、民主党の首脳達は、東京都側と、調整をおこない譲歩を引き出したつもりでいる。しかし、肝腎の部分において、全く都側のいいなりで、文言を代えて、うまく言い含められているとしかみえない。そうだとすれば、相手が、警察キャリアで有能であったとしても、なお、都議たちに条例立法能力の基本的な力が欠けているのではないかと危惧される。もっとも、これには別の解釋が成り立つ。民主党都議の反対派に条例案を隠し通したということは、はじめから騙しうちのつもりであった可能性である。

 あれこれ詮索しても、しかたない。本日発売の岩波書店の月刊誌『世界』で書いたように、少年犯罪が凶悪化しているといった誤った情報を国民に与え、恣意的な世論調査によって、厳罰化世論、不届きな若者はガツンといけといった流れで押し切られないように、じっくり戦っていきたい。

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